異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。
王太子だからじゃない。クリスと向き合ってきて、その誠実さに惹かれたのだ。

「ユーリ。これからも、できるだけ君と過ごす時間を作っていく。本当の私をもっと知って欲しい」

「はい」


もう一度口付けを交わすと、名残惜しかったもののルイスに別れを告げ、ブラッドに付き添ってもらいながら部屋へ戻った。

「ユーリ、大丈夫か?突然のことで驚いただろう」

「すごく驚きました。でも、今、すごく満たされているんです」

「そうか」

「ただ……私は知っての通り、この世界の者ではありません。さっきの夜会でも、とても賛成してもらっているとは思えませんでした。ブラッド様は、私がルイスの横にいてもいいと思いますか?」

「私はルイス様に従うだけだ。良いも悪いもない。ただ、一つ言えることは……女性に対してこれほどまで目尻を下げたルイス様を、今まで一度も見たことがなかった。その姿に、安心したのは事実だ」


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