異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。
また違う日、モーリーンが孤児院へ慰問に行くと耳にした。お菓子の差し入れをするらしい。それならば、私も行きたいと志願し、許可が得られた。この国のことはいろいろ知りたいし、子ども好きなのもあって、この訪問はかなり楽しみにしていた。
モーリーンは、バターケーキのようなものを用意すると言っていたから、私はクッキーを焼いていこうと、数日前から試作を重ねた。最初はできたものを調理場で配っていたものの、さすがに回数を重ねると申し訳なくもなってきて、侍女達や騎士達にも配った。そういうやりとりを通して、城に勤める人達との距離がますます近付いていった。もちろん、これはというものが仕上がった時、ルイスにもプレゼントした。
「ユーリは、本当に料理上手なんだな。これまで、調理場に出入りする令嬢なんて、見たことも聞いたこともなかった。庶民の暮らしや働く者の姿を知らぬ王妃など、お飾りに過ぎない。だから、ユーリは今のままでいいんだよ」
ルイスの言葉は、私を勇気付けてくれた。
モーリーンは、バターケーキのようなものを用意すると言っていたから、私はクッキーを焼いていこうと、数日前から試作を重ねた。最初はできたものを調理場で配っていたものの、さすがに回数を重ねると申し訳なくもなってきて、侍女達や騎士達にも配った。そういうやりとりを通して、城に勤める人達との距離がますます近付いていった。もちろん、これはというものが仕上がった時、ルイスにもプレゼントした。
「ユーリは、本当に料理上手なんだな。これまで、調理場に出入りする令嬢なんて、見たことも聞いたこともなかった。庶民の暮らしや働く者の姿を知らぬ王妃など、お飾りに過ぎない。だから、ユーリは今のままでいいんだよ」
ルイスの言葉は、私を勇気付けてくれた。