異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。
「ユーリ、そろそろ時間です」

ライラが声をかけてくる。今日は公式な慰問となるため、華美にならない程度に着飾らなければならない。本当は身軽な服装で行きたいところだけど……
ルイスが用意してくれたものの中から、一番動きやすそうな薄い黄色のワンピースを着た。孤児院を訪れるのなら、明るい色の方がいいかとも思って。



孤児院は、賑やかな王都を少し過ぎた、静かな場所にあった。建物の裏には森が広がっており、伸び伸びと過ごせそうな環境だ。

私達が敷地に足を踏み入れると、すかさずそれを見つけた子ども達が走り寄ってきた。
可愛い……
どの子も満面な笑みを浮かべている。それほどまでに、この訪問を楽しみにしていたのだろう。


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