異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。
母のような笑みで迎えるモーリーンにならって、私も前に足を踏み出すと、子ども達が一瞬ピクリとした。見知らぬ私が怖いのかと思ったけれど、何かが違う。子ども達の目は、私の後方に向いている。
ああ、そうか。私の動きに合わせて一歩近付いた騎士達に反応したのだ。

「大丈夫だよ。この人達はね、私を守ってくれているだけなの。みんなにひどいことなんてしないんだから。普段はとっても優しくて、面白いお兄さん達なんだよ」

護衛についてくれているのは、顔見知りの騎士達だ。手合わせした人だっている。私の言葉の意味を汲み取った彼らは、緊張感こそ保っていたけれど、顔に笑みを浮かべてみせた。それを見た子ども達も安心したようで、再び私に近付いてきた。

持参したお菓子を配り、みんなに食べてもらった後は、子ども達の遊びの時間を見学させてもらった。初めて訪れた私が物珍しくて、何人かの女の子達が寄ってくる。先生達が止めようとしたけれど、私はそれを断って彼女達の手を取った。


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