異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。
全員が退室して、室内にはルイスと2人になった。ルイスが人払いをしたため、側近も騎士も外に出ている。

「私は、ここの世界に来てから、自分のやりたいようにさせてもらったんだけど……その裏では、みんなが守ってくれていたのね」

「そうだな。だかそれは、ユーリだから守りたいと思えたと、騎士達も侍女達も口を揃えて話していた。人々も同様にな。
ユーリが異世界から来たからとか、私が寵愛しているとかではなく、ユーリ自身の人間性が人々の心を掴んだのだ。だから、何も恐れる必要はない。私の横で、堂々としていればよい」

「ありがとう。ちょっと、自信が持てた」

にっこりと笑みを向けると、ルイスも同じように返してくれる。

「ちょっとだけか?じゃあ、私がもっと自信を持たせてみせよう。ユーリ、おいで」

手を引かれて連れて行かれたのは、私のお気に入りの庭だった。たくさんの花が咲き誇り、ずっと見ていても飽きなくて、時間があるとつい足を運んでいた場所だ。
護衛の騎士は空気を察したのか、いつもより離れた所に待機している。

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