異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。
その声の主は部屋の隅の椅子に座っていたようで、立ち上がってゆっくりと近付いてくる。思わず壁側に身を寄せて、さっき跳ね除けたシーツを手繰り寄せる。
気付けば、見覚えのない服を着ているし、一体これはどういうことなのだろうか……
「な、な、な、……」
言葉にならない声を発するうちに、男はベッドの脇までやってきた。大柄で肌は浅黒く、いかにも兵士という、厳つい雰囲気を醸し出している。
絵本で見たような……よくわからないけれど、中世ヨーロッパの騎士といった雰囲気の服を身に付けている。その脇には……剣!?まさか、本物じゃないよね……にわかに冷たい汗が背中を流れて行く。
「女、名をなんという?」
なんか、喋り口調もおかしいんだけど……
「聞こえぬのか?名を何というのだ?」
「い、い、井川悠里」
「イガワユーリ……それは名前なのか?聞き慣れぬな。何と呼べばいいのか?」
このいかにも外国の人っていう顔立ちの人なら、〝井川〟よりも〝悠里〟と伝えるべきだろうか?あれ?ちょっと待って。考えてみれば、言葉はちゃんと伝わってる。
意味が分からなくて、若干パニックになりかけている。
気付けば、見覚えのない服を着ているし、一体これはどういうことなのだろうか……
「な、な、な、……」
言葉にならない声を発するうちに、男はベッドの脇までやってきた。大柄で肌は浅黒く、いかにも兵士という、厳つい雰囲気を醸し出している。
絵本で見たような……よくわからないけれど、中世ヨーロッパの騎士といった雰囲気の服を身に付けている。その脇には……剣!?まさか、本物じゃないよね……にわかに冷たい汗が背中を流れて行く。
「女、名をなんという?」
なんか、喋り口調もおかしいんだけど……
「聞こえぬのか?名を何というのだ?」
「い、い、井川悠里」
「イガワユーリ……それは名前なのか?聞き慣れぬな。何と呼べばいいのか?」
このいかにも外国の人っていう顔立ちの人なら、〝井川〟よりも〝悠里〟と伝えるべきだろうか?あれ?ちょっと待って。考えてみれば、言葉はちゃんと伝わってる。
意味が分からなくて、若干パニックになりかけている。