異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。
「す、すみません」

ブラッドはジロリと私をひと睨みして「ふん」と鼻を鳴らした。

「短髪のお前を見つけた時、最初は男かと思ったんだ。この国の女性は、皆髪を長く伸ばしているのが普通だからな」

「えっと……日本とは、随分違うようですね」

「とにかく、ユーリが女である以上、それだけでルイス様の心証はよくない。それだけは覚えておくように」

そんなの、偏見じゃないと思うけど、口には出さない。

「わ、わかりました」

「私はこれからルイス様の元へ行く。その間、ユーリは湯あみをするといい」

湯あみ……お風呂のことよね?

「侍女に面倒を見るように伝えておく。わからないことは侍女に聞いてくれ。くれぐれも、変な気は起こさないように。命の保障はしない」

「は、はい」

言葉の厳しさに、思わず背筋を伸ばした。

「それから、部屋に朝食を運ばせる。食べ終わったら、次に指示をするまで、この部屋から一歩も出ないように」

「わかりました」

それだけ言い渡すと、ブラッドは部屋を出て行った。









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