異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。
「あとそれね。丁寧な言葉遣いも、お互いにいらないかな。どちらかというと、私が勝手にここに迷い込んで、迷惑をかけてる側だから、その……そう、友達のような感じでいてくれると嬉しい」

「友達……ですか?」

「そうそう。それで私が怒ることもないから安心して。もちろん、ブラッドさんにも私からちゃんと説明するから、お願い」

勢い込んで頼み込むと、ライラは私の剣幕に怖気ついたのか、首を縦に振ってくれた。


湯あみの準備をしながら、ライラがこの国のことを教えてくれた。丁寧な言葉遣いはまだ抜けないようだけど、少しだけ心を開いてくれたようだ。

「ユーリ、ブラッド様は騎士団長であられます。なので、ブラッド様とお呼びください」

おっと、そうか。パニックからの命拾いで、よくわかっていなかったけれど、上の人を怒らせたら危なそうだということはわかる。

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