異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。
「さあ、ここです。失礼します」

何かと思えば、ライラは服を脱がせようと手をかけてきた。

「ちょっ、ちょっと待って。1人で入れるから。私の世界では、こんなこと人に手伝ってもらうことじゃいの。だから、使い方を教えてくれれば大丈夫よ」

慌ててそう言うと、ライラは一応手を引っ込めたものの、いまいち納得してないような顔をしている。

「それにね、私は身分の高い者でもなんでもないでしょ。ただ迷い込んだだけ。お願いだから、自分でやらせて」

「そうですか」

私の剣幕に、なんとか聞き入れてくれたようだ。

「それでは、私はここで待機しております。何かありましたら、声をかけてください」

それでも脱衣所にはいるのね……とは言えず。しょうがない。説明だけ聞いて、素早くお風呂を済ませた。

用意されていた服を着ると、再びさっきの部屋へ連れていかれる。なんとなく慣れてきたこの空間にいると、こんな異常事態なのにすんなり受け入れつつある自分に気が付いた。

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