異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。
「まあ、そうですが。先に言っておきますが、彼女は、精神を病むような大きな怪我を負っているわけでも、頭を強打したわけでもないようです。その前提での話ですが、昨夜、彼女は仕事を終えて帰る途中に、眠ってしまったというのです。夢の中で飼っていた犬に再会し、犬に導かれて、気付いたらこの国にいたそうです」
黙って聞いていたルイスだが、眉を潜めたまま目を閉じてしまった。こんな突拍子もない話など、信じるはずがない。やはり彼女は放り出すしかないのだろうか。
「異世界から来た女か……」
ため息まじりに呟くルイスを、じっと見つめる。
「私の治める時代に、まさかな……」
「と言いますと?」
「思い出したんだ。王家にまつわる書物を」
それはきっと、王家の血を引く者しか読むことができないという書物を指しているのだろう。王家の歴史が事細かに書かれているというが、果たして本当のところはどうなのだろうか。
黙って聞いていたルイスだが、眉を潜めたまま目を閉じてしまった。こんな突拍子もない話など、信じるはずがない。やはり彼女は放り出すしかないのだろうか。
「異世界から来た女か……」
ため息まじりに呟くルイスを、じっと見つめる。
「私の治める時代に、まさかな……」
「と言いますと?」
「思い出したんだ。王家にまつわる書物を」
それはきっと、王家の血を引く者しか読むことができないという書物を指しているのだろう。王家の歴史が事細かに書かれているというが、果たして本当のところはどうなのだろうか。