異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。

それから一拍の間をおいて、声をかける。

「お会いになられますか？」

このまま、ただ保護しておくだけとはいかないだろう。近いうちに、王太子としてユーリに関してなんらかの判断を下す必要がある。
しかし、今の言葉にルイスが僅かに顔を歪めたのを見逃さなかった。

「しばらく、監視を怠らないように。何かあったら報告をしてくれ」

ルイスはあえて明確な返事を避けた。
この女嫌いが、国の存続に影響がないといいが……

「承知しました」


王太子の執務室を出ると、無意識のうちにため息が出る。王太子の女嫌いは、この界隈では有名な話だ。それは、ルイス自身が全く隠そうとしないからだ。
言い寄る令嬢には冷たい視線を投げかけ、容赦ない言葉を放つ。女性に対して、それほどうんざりさせられている現れなのだが……
それにしても後継の問題もある。さすがに近々王妃を迎え入れてもらわなければ困るのだが……