異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。
この城にいる女性といえば、王妃様をはじめとした王族関係の方々と、長年勤めている女官や侍女ぐらいなものだ。女官や侍女を受け入れるのにも、厳正な審査が行われる。

万が一、ユーリがご令嬢のようにルイスに言い寄るようなことがあれば、よくて国外追放、悪くて首をはねられてしまうだろう。ユーリ本人にも、繰り返し釘を刺しておいた方がよさそうだ。


次は、ライラとの面談だ。
同性になら、気を許して何か新しいことを話しているかもしれない。


早速ライラを捕まえると、驚くことを話した。
侍女に〝様〟を付けて呼ぶことをやめさせ、代わりに友となれと言ったらしい。

「それに、ユーリはまるで少女のように見えますが、実際は24歳なのだそうです」

随分幼く見えるものだ。

「ブラッド様。ユーリはここへ来る前、食事の内容を考えるようなお仕事をされていたそうです」

「ほう。で?」

「今朝お出しした食事に、いたく感動していました。できたら、この国の料理を習いたいと……」

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