異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。
ノックをして相手の返事を待ち、部屋に入る。

「失礼する」

改めてユーリの姿を見る。これで24歳とは、とても信じられない。

「ライラから聞いたが、ユーリは24歳だと」

「そうですよ。見えませんか?」

全く見えない。ただ、この落ち着いた雰囲気は、多少見た目の年齢を上げる助けになっていそうだ。まあ、それは言わないでおこう。

「ユーリはこれから、この城にいる間、他国から招いた者として振る舞ってもらう。この国に関する知識がない以上、怪しまれないためにもな。客人として、この国に滞在しているとする」

「ここに留まってもいいのですか?」

ずっと不安そうにしていたユーリが、やっとホッとした顔をした。その様子に、こちらも安堵する。見る限り、ユーリは害のある者ではない。ここで放り出すのは、人としてさすがにできないと感じていた。



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