異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。
「ところで、ユーリはこの国の食事を、いたく気に入ったとか?」
「はい。私、ここへ来る前は、食に関する仕事をしていたんです」
「料理人か?」
「いえ。料理も好きですけど、仕事にしてきたのは、栄養のバランスを考えて、メニューを提案することです。病気の人に合わせたメニューを考えたり、そもそも病気にならないよう、食事で気をつけるように考えたりすることをしていました」
「ほう。食事と体調か……考えたこともなかったな」
「私、ここでは右も左もわからなくて……こうしてお世話になっているのに、何も返せないのが嫌で……って、元の世界に戻るにはどうしたらいいのかもわからないし、そもそも戻れるのか……」
話しているうちに混乱してきたのか、急にとり乱したユーリの肩を掴んで落ち着かせる。
「少し落ち着け。今のところ、ルイス様はユーリをここに留めておくように仰っている。ルイス様は極度の女嫌いではあるが、困っている者を平気で放り出すような冷たい王太子ではない。ユーリを保護するように指示されている」
その言葉に、ユーリが安堵するのがわかる。いきなり見知らぬ土地に来て、心も休まらず、どれほど心細かったであろうか。
ただし、一言だけ忠告は忘れなかった。
「はい。私、ここへ来る前は、食に関する仕事をしていたんです」
「料理人か?」
「いえ。料理も好きですけど、仕事にしてきたのは、栄養のバランスを考えて、メニューを提案することです。病気の人に合わせたメニューを考えたり、そもそも病気にならないよう、食事で気をつけるように考えたりすることをしていました」
「ほう。食事と体調か……考えたこともなかったな」
「私、ここでは右も左もわからなくて……こうしてお世話になっているのに、何も返せないのが嫌で……って、元の世界に戻るにはどうしたらいいのかもわからないし、そもそも戻れるのか……」
話しているうちに混乱してきたのか、急にとり乱したユーリの肩を掴んで落ち着かせる。
「少し落ち着け。今のところ、ルイス様はユーリをここに留めておくように仰っている。ルイス様は極度の女嫌いではあるが、困っている者を平気で放り出すような冷たい王太子ではない。ユーリを保護するように指示されている」
その言葉に、ユーリが安堵するのがわかる。いきなり見知らぬ土地に来て、心も休まらず、どれほど心細かったであろうか。
ただし、一言だけ忠告は忘れなかった。