異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。
翌日の昼過ぎ。予約をしておいた行きつけの美容院を訪れた。学生の頃から、かれこれ5年ちかく通っている。
「あっ、井川さん。いらっしゃいませ。今日はカットでしたね?」
迎えてくれたのは、いつも私の担当をしてくれる小野さんだ。
「どんな感じにしましょうか?」
「ショートにしてください」
迷いなく言い切る私に、小野さんが小さく驚いているのがわかる。
「せっかくここまで伸ばしてたのに、いいんですか?」
「はい。いろいろとさっぱりしたくて」
若干、もったいないというような顔をしつつも、小野さんは早速作業を始めた。
「井川さんは染めてないし、傷みもなくて本当に綺麗な髪ですね。少し梳いて軽くして……うん。ショートも似合うとと思いますよ」
髪を染めたことは一度もない。
幼い頃から父の影響でずっと剣道をやってきた。礼儀に厳しい世界にいたせいか、髪を染めたりピアスを開けたりという類のことに、抵抗感を持ってしまっていた。
その父も数年前に他界してしまった。それもあって剣道から遠のいてしまったのに、こういう感覚は消えそうにない。
「あっ、井川さん。いらっしゃいませ。今日はカットでしたね?」
迎えてくれたのは、いつも私の担当をしてくれる小野さんだ。
「どんな感じにしましょうか?」
「ショートにしてください」
迷いなく言い切る私に、小野さんが小さく驚いているのがわかる。
「せっかくここまで伸ばしてたのに、いいんですか?」
「はい。いろいろとさっぱりしたくて」
若干、もったいないというような顔をしつつも、小野さんは早速作業を始めた。
「井川さんは染めてないし、傷みもなくて本当に綺麗な髪ですね。少し梳いて軽くして……うん。ショートも似合うとと思いますよ」
髪を染めたことは一度もない。
幼い頃から父の影響でずっと剣道をやってきた。礼儀に厳しい世界にいたせいか、髪を染めたりピアスを開けたりという類のことに、抵抗感を持ってしまっていた。
その父も数年前に他界してしまった。それもあって剣道から遠のいてしまったのに、こういう感覚は消えそうにない。