異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。
「ユーリと言ったな?」

「は、はい」

「ここに来る前は、料理に関する仕事をしていたんだって?」

「そうです。バランスの良い食事で、病気を防いだり、改善したりということを考えていました」

「料理を作る方は?」

「専門ではないですけど、料理は好きなので、人並みにはできます」

「ふむ……」

「ヒューバート」

「なんだブラッド」

ヒューバートは50歳ちかくだろうか?ブラッドよりも随分年上のようだ。親子のようにも見える。そのせいか、騎士団長であるブラッドに対して、ヒューバートは砕けた口調で話している。ブラッドも気にしていないようだ。

「ルイス様から、ユーリが調理場へ入る許可は出ている。それから、念の為、出入り口には見張りを配置してある。ここでユーリに何かを手伝わせるもよし、見学に留めるもよし。どちらにしろ監視を怠らないでくれ」

「おうおう。こんな小せえガキンチョに、なかなか大袈裟だな」

そう言って、ヒューバートはじっと私の目を覗き込んだ。

「念のためだ」

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