異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。

きっと、感覚で料理する彼にとっては苦手な分野だろうけど……
彼の味付けを数値化して、誰もが一定のレベルで同じ味を保てるようにしていく必要がありそうだ。それができれば、塩分や糖分の摂取量を見直す必要があった時にもすぐにできる。

「ヒューバート。あなたの作る料理のレシピを作るのはどうでしょう？どの調味料をどれぐらいの量、どのタイミングで入れるのかをまとめておけば、誰が作ってもある程度料理のレベルを保てるはずです」

「簡単に言ってくれるけどなあ、俺はそんなめんどくせぇことはむいてねえよ」

「私にやらせてもらえませんか？」

「そんなことができるのか？」

「それが私のやっていた仕事にちかいんです」

まあ、多少ずれているけれど……と心の中で呟く。
ヒューバートは、唸りながら私の提案を思案し出した。

「それに、一般的に好まれる味付けは、体の調子の悪い人やお年寄りには、体調を崩しかねないこともあるんです。塩や砂糖が多すぎで」

そう言って、調味料を指さした。