異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。
それからというもの、ブラッドの許可をもらって、午前中と夕方に調理場におじゃまして、ヒューバートの味付けを細かくメモしていった。モーリーンが神の域と言っていたのは本当のようだ。彼は計量することなく感覚で味をつけている。一見、適当にやっているように調味していくのに、どれもが美味しくて驚いた。なるべくしてこの職についたのだろう。

宣言通り、まずはレシピを作ることに専念した。邪魔にならないように必死にメモを取る姿が、ヒューバートに滑稽に見えたようで、「変わった奴だ」と鼻で笑われていた。それでも、追い出されることはなかった。

何日か通うと、数人いた調理員さんとも少しずつ打ち解けて、ランチを調理場の隅で一緒に食べさせてもらえるようになった。







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