異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。
母は幼い頃に亡くなっているし、一人っ子だから身内はいないも同然だ。いても冠婚葬祭で会うぐらいの、遠い親戚のみ……

おっといけない。暗くなってる場合じゃなかった。髪をすっきりさせて、気持ちを入れ替えるつもりできたのだから。


「お疲れさまでした。」

合わせ鏡でをして後ろ側を見せてくれる。首回りがすっきりして、それだけで気持ちが明るくなるようだ。

「すっごく軽くなりました。ありがとうございます」

支払いを済ませると、足取り軽くショッピングに向かう。
何か必要なものがあるわけじゃなかったけれど、なんとなく雑貨屋を見て回るのも楽しい。
案の定、気付けば細々と買い込んでいたんだけど。数種類の入浴剤、ちょっとだけお高いパック、哀愁漂う表情の犬の置物……って、癒しグッズばかり。私、疲れてるんだなあ……

食材も購入して、帰宅したのは夕方遅く。休日ぐらい、料理をしないと。
普段は作り置きのおかずが底を尽きれば、コンビニに頼ることもよくある。管理栄養士だからって、いつでもこだわって手料理をしているわけじゃない。意外と不健康なことも多いかも。

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