異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。

その間の食事といったら……それまでヒューバートのセンスが全てだった美味しい食事から一変、どれを食べてもイマイチだと、思わず顔をしかめてしまう食事になってしまった。いや、それでも普通に美味しかったとは思う。ただ、日頃からヒューバートの天才的な味付けに慣れていた城の者にとって、彼不在で作られた料理は、〝残念〟の一言に尽きた。

「ほおう。変わったことを考えるものだな」

ルイスはしばらく調理場の様子を見つめていた。

「ユーリとやらと、直接話をしたかったが、そこまで時間が取れずにきてしまったな」

ルイスにとって、女性はできれば自分に近付けたくない存在だ。しかし、働く女性には一目置いているようだと感じるのは、思い違いじゃないだろう。調理場で生き生きと働くユーリの姿に、嫌悪する対象ではないと感じているのかも知れない。

ここのところ激務で、ユーリとの面談の時間が取れなかったのは事実だ。それに、ルイスもそこまで積極的に動こうとしていなかったようだ。要するに、その役割を私に押し付けているのだ。