異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。
「そこまで」
シーンとした広場に、ブラッドの声が響いた。いつのまにか、他の騎士達もこの様子を見ていたようだ。
ふうと息を吐いて肩の力を抜くも、私とブラッド以外は、皆呆然としたままだ。
「サイラス、剣を拾え。ご苦労だった」
いまだ呆然とするサイラスの肩を、ブラッドが軽く叩くと、サイラスはハッとして急いで剣を拾った。こちらが一礼をすると、サイラスも返してくれたが、一瞬悔しそうな顔を見せて戻っていった。
「ユーリ」
ブラッドが厳しい表情を少しだけ崩して、こちらへ近づいて来る。
「見事だったぞ。かなりの腕前と見た。しかし、問題もある」
「問題……ですか?」
確かにブランクがあるのだから、側から見ていれば何か気付くポイントがあるのかもしれない。そうならば、ぜひとも聞いておきたい。剣道に関して前のめりになりすぎるのは、私の悪い癖だ。
「まず一つ。ユーリはとどめの一撃ができたはずなのに、それをしなかったな」
「それは……はい。防具を付けていなかったので」
シーンとした広場に、ブラッドの声が響いた。いつのまにか、他の騎士達もこの様子を見ていたようだ。
ふうと息を吐いて肩の力を抜くも、私とブラッド以外は、皆呆然としたままだ。
「サイラス、剣を拾え。ご苦労だった」
いまだ呆然とするサイラスの肩を、ブラッドが軽く叩くと、サイラスはハッとして急いで剣を拾った。こちらが一礼をすると、サイラスも返してくれたが、一瞬悔しそうな顔を見せて戻っていった。
「ユーリ」
ブラッドが厳しい表情を少しだけ崩して、こちらへ近づいて来る。
「見事だったぞ。かなりの腕前と見た。しかし、問題もある」
「問題……ですか?」
確かにブランクがあるのだから、側から見ていれば何か気付くポイントがあるのかもしれない。そうならば、ぜひとも聞いておきたい。剣道に関して前のめりになりすぎるのは、私の悪い癖だ。
「まず一つ。ユーリはとどめの一撃ができたはずなのに、それをしなかったな」
「それは……はい。防具を付けていなかったので」