異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。
「ユーリ。わざわざブラッドに許可を取る必要はない。自分で判断すればよい。この城の中で、ユーリの身の安全は保証されている。その発言は自由だ」

驚いた顔をするユーリに、しっかりと頷き返す。その半歩後ろで、ブラッドまでわずかに目を見開いているのがわかる。が、気にしないでユーリに語りかける。

「それで、私と手合わせ願えないだろうか?」

「わかりました。よろしくお願いします」

ようやく承諾してくれた。

昨日の見習い騎士とのやりとりがあるせいか、周りの騎士達が、興味津々といった様子で窺い見てくるのを感じる。それを敢えて気に留めてないように装い、ユーリだけを視界に入れる。

ブラッドもそれを感じ取ったのだろう。手を止める騎士に声をかけることはしなかった。







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