愛妻御曹司に娶られて、赤ちゃんを授かりました
「しかも大人がいないのをいいことに咲花は必ず二切れ食べるんだよ。八等分したケーキを。俺も佑も羨ましいし悔しいから俺たちも!って言うんだけど、手伝いのおばちゃんは俺たちに食べさせ過ぎないように言われてるから明日ですよって言うんだ。さらに、ケーキの上に載ってるサンタも欲しがって傑と喧嘩になるし。平等にって砂糖菓子のサンタ半分に切られてたぞ」
サンタを半分……想像すると怖い絵面になってしまう。でも、言われてみればそれはなんとなく覚えているような……。
「じゃあって、俺がチョコレートのプレートをもらうだろ?そうするとそれも欲しいって言いだすんだ」
「ええ……、それだけ聞くとめちゃくちゃ我儘なお嬢さんじゃない」
楽しかった思い出ばかり覚えていて私って都合の悪いことは忘れてるの?とんでもないヤツだなあ、我ながら。
「実際、咲花は我儘なお嬢さんだったよ。ひっくり返って駄々こねるとかじゃないけど、じーっとこっちを見て無言の圧をかけてくるんだ。自分の主張ははっきりして曲げないタイプだった。子どもの頃から空気を読むのがうまくて、周りに迷惑をかけたりしないけれど、俺たちの前では結構我儘だったよ」
佑は思い出を懐かしむように言う。
「元気で我儘で、世界中の女の子で一番可愛らしくて、子どもの頃の咲花は俺の自慢の妹だった」
そんなふうに言われると気恥ずかしいような気持ちになる。今、私の結婚することになって、佑はどう思っているんだろう。肝心の佑の気持ちの部分が、もう少し知りたい。
佑はわずかに黙って、話題をかえようと私の方を見た。
サンタを半分……想像すると怖い絵面になってしまう。でも、言われてみればそれはなんとなく覚えているような……。
「じゃあって、俺がチョコレートのプレートをもらうだろ?そうするとそれも欲しいって言いだすんだ」
「ええ……、それだけ聞くとめちゃくちゃ我儘なお嬢さんじゃない」
楽しかった思い出ばかり覚えていて私って都合の悪いことは忘れてるの?とんでもないヤツだなあ、我ながら。
「実際、咲花は我儘なお嬢さんだったよ。ひっくり返って駄々こねるとかじゃないけど、じーっとこっちを見て無言の圧をかけてくるんだ。自分の主張ははっきりして曲げないタイプだった。子どもの頃から空気を読むのがうまくて、周りに迷惑をかけたりしないけれど、俺たちの前では結構我儘だったよ」
佑は思い出を懐かしむように言う。
「元気で我儘で、世界中の女の子で一番可愛らしくて、子どもの頃の咲花は俺の自慢の妹だった」
そんなふうに言われると気恥ずかしいような気持ちになる。今、私の結婚することになって、佑はどう思っているんだろう。肝心の佑の気持ちの部分が、もう少し知りたい。
佑はわずかに黙って、話題をかえようと私の方を見た。