愛妻御曹司に娶られて、赤ちゃんを授かりました
翌日も佑はいたって普通だった。同じベッドで寝起きしても変わらない。朝食を食べ、いつも通り会話し、出勤していく。
私ひとり胸がドキドキし続けてる感じ。好きな人だもん。あんな意味深なことされたらどうしたらいいかわからないよ。

仕事納めまでの数日は、私ひとりがそわそわした状態で過ぎてしまった。年末の休暇に入り、私は実家に泊まりに行き、佑も実家だ。

大晦日には私はマンションに戻るつもりだったけど、佑から『親父のゴルフに付き合うことになった。悪いけれど、新年の帰宅になる』と連絡が入った。
たぶん、佑のご両親も帰ってきた佑の存在が嬉しくて引き止めているんだろうなと思う。我が家もそうだもの。
いくつになっても結婚しても、親は親なのだなあと感じる。私たちの両親は若干過干渉だとは思うけれど。

結局、実家で散々歓待され、ちょっと食べ過ぎで太ったような不安感とともに、年も明け、元日にマンションに戻った。佑は夜に帰ってきた。

「あけましておめでとう」
「あ、あけましておめでとう」

新年最初の顔合わせ。私は、身体の奥でとくんと心臓が大きく鳴り響くのを感じる。
まだあのソファに押し倒された時のことが脳裏をよぎり鼓動が早くなってしまう。困ったなあ。私ばかりが意識している状態なんだもの。
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