愛妻御曹司に娶られて、赤ちゃんを授かりました

「何か食べる？実家からお餅持たされちゃった。おせちも少しあるけど」
「いや、やめておくよ。元日からホール回らされてくたくただ」
「おじさま元気ね。明後日からもゴルフ旅行でしょ」
「付き合う方は大変だよ」

明日は結納、確かに早く休んでしまった方がいい。私も一緒にいると心臓に悪いし。

「お風呂入って休んで」
「ああ、明日は早いしな」

佑はさわやかな笑顔で言い、バスルームへ向かった。やっぱりクリスマスイブのことをいつまでも引きずってるのは私だけ……だよね。



結納当日、私たちは早朝に出発した。なにしろ、会場は少々遠い。ホテルのラウンジで軽くサンドイッチを食べ朝食にし、それから私は着付けに入る。
双方の両親がそろい、母親たちの希望通りチャペルで写真撮影をし、11時から結納だ。式自体は司会や介添えを頼んでいるので、私たちは段取りの通り動くだけ。
結納はつつがなく済み、そのまま会食となった。

懐石を楽しみながら、親たちは楽しそうに話している。私もにこにこと相槌を打ったり、気を遣って話を振ってみたりするけれど、本音を言えば早く終わりにして帰りたい。結構疲れるんだから。

結婚式はこの何倍疲れるのかしら。寝込んでハネムーンに行けないとか困るから体力づくりしなきゃだわ。そんなことを考えていると話を振られた。

「咲花ちゃん、佑との暮らしには慣れたかい？」

竜造おじさまに尋ねられ、私は微笑み返す。