愛妻御曹司に娶られて、赤ちゃんを授かりました
その晩、俺は咲花を抱いた。初めての夜だった。
誰とも経験がないと恥ずかしがる咲花を、長い時間抱き締め、緊張がほぐれるのを待った。
何度もキスをして、頬を撫でる。俺を見あげた咲花の眼はキラキラ輝き、シーツに散った長い髪が、常夜灯に照らされ綺麗だった。
初恋なのかもしれない。今更そんなことを思った。
女と交際したことも、抱き合ったこともある。だけど、すべては自分から強く望んだことではなかった。彼女たちのことを好ましいとは思ったけれど、この瞬間の強い情欲と比べると、なんと浅はかな時間だったかと申し訳なくすら思う。
それほどに愛しい女を腕に閉じこめ、見下ろしている今は多幸感あふれる時間だった。
「佑……」
咲花が震える声で呼び、そっと俺の頬に手のひらを押し当てる。
「大好きよ」
「俺も大好きだ。咲花に触れたい」
「うん」
この一瞬を永遠にするために、俺はどんな代償でも払える。
そう、思った。
誰とも経験がないと恥ずかしがる咲花を、長い時間抱き締め、緊張がほぐれるのを待った。
何度もキスをして、頬を撫でる。俺を見あげた咲花の眼はキラキラ輝き、シーツに散った長い髪が、常夜灯に照らされ綺麗だった。
初恋なのかもしれない。今更そんなことを思った。
女と交際したことも、抱き合ったこともある。だけど、すべては自分から強く望んだことではなかった。彼女たちのことを好ましいとは思ったけれど、この瞬間の強い情欲と比べると、なんと浅はかな時間だったかと申し訳なくすら思う。
それほどに愛しい女を腕に閉じこめ、見下ろしている今は多幸感あふれる時間だった。
「佑……」
咲花が震える声で呼び、そっと俺の頬に手のひらを押し当てる。
「大好きよ」
「俺も大好きだ。咲花に触れたい」
「うん」
この一瞬を永遠にするために、俺はどんな代償でも払える。
そう、思った。