愛妻御曹司に娶られて、赤ちゃんを授かりました
「親父の代わりに手掛けている仕事も多い。多少なりとも会社を動かしているっていう自負もある。でも、咲花の方が大事だよ」
私のために陸斗建設を捨ててしまうことも厭わないという佑。それは本当に嬉しいことだ。
だけど、本当にいいのかな。
だって、竜造おじさまの言うことさえ聞いていれば、佑は今の環境を守り、やりがいのある仕事を捨てずに済む。私と別れれば……。
「咲花、桜がついてる」
佑が微笑んで、私の髪についた桜の花弁をとりあげた。頭上の満開のさくらからのお裾分けがあったみたい。
「あ、本当」
「まだいくつもついてるよ、咲花だけ」
「咲花さん、桜に好かれてますねえ」
里乃子さんが言い、私は頬を緩めた。今はこの幸せがある。守って行きたいのは、ふたりの生活。
ぐるりと散歩をしてマンションに帰り着いた。
結構歩きまわったので、少しくたびれてしまった。身体が重たく、だるい感じがある。
ソファに座ったら根っこが生えてしまいそうなので、そのままキッチンへ。今日は傑と里乃子さんというお客さまをもてなすんだから。
私のために陸斗建設を捨ててしまうことも厭わないという佑。それは本当に嬉しいことだ。
だけど、本当にいいのかな。
だって、竜造おじさまの言うことさえ聞いていれば、佑は今の環境を守り、やりがいのある仕事を捨てずに済む。私と別れれば……。
「咲花、桜がついてる」
佑が微笑んで、私の髪についた桜の花弁をとりあげた。頭上の満開のさくらからのお裾分けがあったみたい。
「あ、本当」
「まだいくつもついてるよ、咲花だけ」
「咲花さん、桜に好かれてますねえ」
里乃子さんが言い、私は頬を緩めた。今はこの幸せがある。守って行きたいのは、ふたりの生活。
ぐるりと散歩をしてマンションに帰り着いた。
結構歩きまわったので、少しくたびれてしまった。身体が重たく、だるい感じがある。
ソファに座ったら根っこが生えてしまいそうなので、そのままキッチンへ。今日は傑と里乃子さんというお客さまをもてなすんだから。