愛妻御曹司に娶られて、赤ちゃんを授かりました
私の戸惑いを他所に試薬は陽性の反応。
これって……。
検査スティックを見せるのもなんなので、私は後処理を追えてから、そろそろとトイレから出てきてリビングに戻る。
三人が固唾を飲んで見守る中、ぼそぼそと告白した。

「えっと、あの……陽性……赤ちゃんがいるって反応でした……」
「え、うわーーー!」

一瞬の間の後、三人から歓声があがる。
真っ赤になる私に佑が駆け寄りぎゅっと抱きしめた。

「わわ!」

傑も里乃子さんも見てるのに、こんなスキンシップを取られると思わなかった。そういうことを人前でするタイプじゃないし。

「咲花!」

だけど、私を抱き締める佑の腕の力と、熱く名前を呼ぶ声に、喜びの深さを感じて何も言えなくなってしまった。

「佑……明日には病院に行ってくるね」
「ああ、……ああ」

佑はため息のようにささやいた。万感こもる声音だった。

「おめでとう、ふたりとも」

傑が感極まった声で言い、里乃子さんが涙ぐんでいた。
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