愛妻御曹司に娶られて、赤ちゃんを授かりました
翌日の月曜、近所の産婦人科に診察に行った。初めて産婦人科に行ったので戸惑ってしまう。綺麗で新しく小児科も併設された病院は子どもやママが溢れていた。

診察を受け、私のお腹には新しい命が宿っていることが、超音波写真で確認できた。

胸が熱くなる。
私の生理が不純だったこともあり、正確な週数はわからなかったけれど、胎児の大きさからだいたい三ヶ月のなかばだろうということだ。

病院を出て、すぐに佑にメッセージを送った。佑からは昼休みに入るなり、メッセージが返ってくる。気が気じゃなく仕事をしていたのだろう。

【咲花、ありがとう】

それだけの言葉だけれど、こめられた気持ちに嬉しくなる。

夕方、佑はケーキを買って帰ってきた。

「体調はどう?食べられるか?」
「うん」

夕食を用意して待っていた私を、ケーキを置くなり佑が私を抱き締めた。
気持ちの行き場がなくて、ハグになっているみたい。

「嬉しいな」
「ふふ、そうだね」
< 140 / 181 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop