愛妻御曹司に娶られて、赤ちゃんを授かりました
「なんかお腹空いちゃってぇ」
「もう、結婚式は来春なのよ。陸斗建設の副社長の結婚式なんだから、大イベントよ!ぷくぷくした姿を来賓の方々に見せたいの?」

母に怒られても私はどら焼きを手放さない。
そうか。結婚といってもただの結婚じゃない。佑は大会社の後継者で現副社長なのだ。
結婚式は盛大だろうし、社内行事クラスになるだろう。

「ドレスはオーダーメイドだろうし、いいんじゃないかなあ。あとは白無垢なら少しふっくらしててもいいなじゃない?」
「そういう問題じゃありません!」

めんどうくさい。
私は心の中で唱え、残りのどら焼きを口の中にぎゅうぎゅうに押し込んだ。



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