愛妻御曹司に娶られて、赤ちゃんを授かりました
「たくさん送ってくれたね。お返ししないと」
「おさがりだからお返しはいらないって言ってるけど、そういうわけにもいかないよね」

佑の元婚約者である人と、こんなふうにやりとりするようになるとは思わなかった。幸せなことだ。
荷物を開けている私たちの横で花依がふにゃあと泣き声をあげた。

「お腹空いたかな」
「おっぱいあげちゃうね。佑はその間に着替えて、自分の準備をしておいて」
「了解」

私は娘を抱き上げ、あやしながらソファへ。授乳を始めると、小さな目は真剣になり、十分も飲まないうちにとろんと眠そうになる。飲みながらくうくう眠ってしまうのだから可愛い。
スーツに着替えてきた佑が覗き込んで微笑んだ。

「いっぺんに飲む体力がまだないんだな」
「だから、すぐにお腹が空いちゃうのよね」
「お参りの前に一回授乳とオムツ替えが要りそうだな」
「うん」
「ともかく、この隙に咲花も仕度仕度」
「そうでした」

今日、私たちは愛娘のお宮参りに出かける予定なのだ。
私たちの住む街にある神社にお願いしてあり、両家の両親も参加予定。その後、家族で駅前の中華料理店でごはんを食べるのだ。
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