愛妻御曹司に娶られて、赤ちゃんを授かりました
新宿のダイニングバーで待ち合わせたのは傑だ。今日は佑もいないし、ひとり新居でごはんを食べるのもなあと思っていたら誘われたのだ。
店内の半個室で、傑とその恋人が待っていた。
「初めまして!」
私が来るなり、いきなり立ち上がり最敬礼くらい深くお辞儀をしたのが、傑の恋人の里乃子(りのこ)さん。まるで就活生みたいな勢いに私は思わず笑ってしまった。
「初めまして、咲花です」
失礼かと思ったけれど、笑いながら手を差し伸べる。里乃子さんが私の手を両手でがしっと掴み、ぶんぶん揺すった。
「里乃子、落ち着け」
「うあ、ごめんなさい」
熱烈な握手に本人が耳まで真っ赤になっている。
「いえいえ、握手しましょ」
私も左手を添えて、繋いだ手を上下に揺すり返した。
里乃子さんは、小動物みたいに可愛い。確か私と傑より三つ下だって言っていたから、24歳になるはず。もっと幼く見える。
傑の過去の彼女は何人か知っているけれど、みんな大人びた美人系の女の子ばかりだった。それも全部、女の子側からのアプローチで付き合ったはず。
そうか、傑が自分から恋をした子はこんな女の子なんだ。ちょっと感慨深い。
傑が改めてそれぞれ紹介してくれ、私たちは席についた。
「やっとお会いできて嬉しいです」
里乃子さんはずっとほっぺたが真っ赤なまま。可愛い。
店内の半個室で、傑とその恋人が待っていた。
「初めまして!」
私が来るなり、いきなり立ち上がり最敬礼くらい深くお辞儀をしたのが、傑の恋人の里乃子(りのこ)さん。まるで就活生みたいな勢いに私は思わず笑ってしまった。
「初めまして、咲花です」
失礼かと思ったけれど、笑いながら手を差し伸べる。里乃子さんが私の手を両手でがしっと掴み、ぶんぶん揺すった。
「里乃子、落ち着け」
「うあ、ごめんなさい」
熱烈な握手に本人が耳まで真っ赤になっている。
「いえいえ、握手しましょ」
私も左手を添えて、繋いだ手を上下に揺すり返した。
里乃子さんは、小動物みたいに可愛い。確か私と傑より三つ下だって言っていたから、24歳になるはず。もっと幼く見える。
傑の過去の彼女は何人か知っているけれど、みんな大人びた美人系の女の子ばかりだった。それも全部、女の子側からのアプローチで付き合ったはず。
そうか、傑が自分から恋をした子はこんな女の子なんだ。ちょっと感慨深い。
傑が改めてそれぞれ紹介してくれ、私たちは席についた。
「やっとお会いできて嬉しいです」
里乃子さんはずっとほっぺたが真っ赤なまま。可愛い。