愛妻御曹司に娶られて、赤ちゃんを授かりました
「わからないだろう。本当の妹じゃないんだから。兄貴の“大事”がなんの感情に根差してるのか」
それはそうだけど。期待し過ぎたくない。
長く見つめ過ぎた恋なのだ。何度も封印してきた恋なのだ。
いきなり表面に出していいと言われても、簡単に出てきてはくれない。
どうやって、佑に好きだと伝えていいかわからない。いつ伝えるのが正解なのかわからない。
できれば、このまま自然に夫婦になりたいのだ。大きな区切りはつけずに。
傑はひとつ嘆息して、言った。
「まあ、考えておけよ」
「……うん」
「咲花は頑固で、兄貴は鈍いところがある。あんまりすれ違い続けてるなら、俺が言うからな」
里乃子さんが届いたばかりの手羽先をどさどさと新しい小皿に盛ってくれる。
「咲花さん、食べましょ。私、手羽先大好きで!」
「ふふ、私も好き。あと、とんぺい焼も頼んでいい?」
「もちろんです」
そこからは女子ふたりでおおいに食べた。傑は飲んでいたけれど、お酒が入るとガードが甘くなるので、私はふたりの甘いなれそめをたっぷりと事情聴取できたのだった。
それはそうだけど。期待し過ぎたくない。
長く見つめ過ぎた恋なのだ。何度も封印してきた恋なのだ。
いきなり表面に出していいと言われても、簡単に出てきてはくれない。
どうやって、佑に好きだと伝えていいかわからない。いつ伝えるのが正解なのかわからない。
できれば、このまま自然に夫婦になりたいのだ。大きな区切りはつけずに。
傑はひとつ嘆息して、言った。
「まあ、考えておけよ」
「……うん」
「咲花は頑固で、兄貴は鈍いところがある。あんまりすれ違い続けてるなら、俺が言うからな」
里乃子さんが届いたばかりの手羽先をどさどさと新しい小皿に盛ってくれる。
「咲花さん、食べましょ。私、手羽先大好きで!」
「ふふ、私も好き。あと、とんぺい焼も頼んでいい?」
「もちろんです」
そこからは女子ふたりでおおいに食べた。傑は飲んでいたけれど、お酒が入るとガードが甘くなるので、私はふたりの甘いなれそめをたっぷりと事情聴取できたのだった。