愛妻御曹司に娶られて、赤ちゃんを授かりました
そんなわけで本日私は有休を利用して、平日午前中からプランナーさんと席次の作る作業をしている。私の有休がたまり過ぎていて、元々お休みにしていた日だからいいんだけど。

「できた!……けど、これを夫と両親たちに見てもらわなければです」

私は埋めた席次を眺めて言う。一発OKが出ればいいんだけれど、きっと難しいだろうな。プランナーさんが私に同情するような笑顔だ。

「まだお時間はございますので、ゆっくりお決めになってくださいね」

きっとありとあらゆるカップルを見ているんだろうな。私たち以上に親に干渉されてるカップルもきっといる。
だから、この程度で私が苛々しててもしょうがない。親に振り回されるのは今に始まったことではないもの。

本当のところ、今日の休みは、新宿で映画を見て、荻窪のしまだやのあんみつを食べにいくつもりだったのに。あんみつはお持ち帰り用のカップも売っているから、夜に佑とふたりで食べようと思ってたのに。

「あ、あとですね。こちらのご招待客なんですが、もしかして血縁の方ですか?御苗字は違いますが、ご住所が同じなのとお名前も似通っていらっしゃるので」

プランナーさんに聞かれ、リストと見比べる。

「テーブルを一緒にするかどうかってことですよね。夫の父方の招待客なので、確認します」
「ありがとうございます。だいたいの人数がわかりましたし、大ホールを押さえましょう」
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