突然ですが、エリート御曹司様の花嫁を演じることになりました



  * * *


「新婦、七瀬一花さん。あなたはここにいる天海律さんを健やかなる時も病める時も─︎─︎─︎─︎─︎─︎…誓いますか?」

誓いの言葉、これが愛し合ってるカップルなら堂々と誓えるだろう……神になんて誓えない。
だけどごめんなさい。

神様、私は……嘘をつきます。しかも神様の前で堂々と。

「誓います。」

その後は、指輪の交換に……これは奇跡的と言ってもいいのかピッタリ嵌った。
あとは、誓いのキス。式が始まる前に「誓いのキスは頬にするから安心しろ」と言われたからきっと問題はないはず、と思いたい。

「誓いのキスを」
天海さんがペールを上に上げ、頬にキスをした。約束してくれた通りだ。良かった……だってこんな形で私のファーストキスが奪われるなんて嫌だもの。


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