そしてまた、桜はさきほこる
第1章 ~プロローグ~
「絶対また会える・・・」
先輩が力強く言ったその言葉を小さな声で繰り返し唱える。唱え続ける。
あれからどれくらいの時間がたったのだろうか。はっきり思い出せない。多分一時間くらいかな、そんな気がする。
先輩の姿はとっくに見えない。先輩が上って行った階段だけをずっと見つめている。
顔はもう涙でクシャクシャだ。顔中が赤く腫れあがっているのがわかる。最後はあんなに笑顔だったのにな・・・。
改札から出てくるサラリーマンが不思議そうな目で私を見て横を通り過ぎていく。ああそういえば心配で話しかけてくれた人もいたっけ。
「帰ろうかな」
温もりを失った手と、疲れ切った足で私は歩き出す。まるで自分じゃない誰かを動かしているような感覚。
それでも私は歩き続ける。
沈みかけた太陽がいつもよりまぶしくて、赤くて、そして濡れていた・・・。
先輩が力強く言ったその言葉を小さな声で繰り返し唱える。唱え続ける。
あれからどれくらいの時間がたったのだろうか。はっきり思い出せない。多分一時間くらいかな、そんな気がする。
先輩の姿はとっくに見えない。先輩が上って行った階段だけをずっと見つめている。
顔はもう涙でクシャクシャだ。顔中が赤く腫れあがっているのがわかる。最後はあんなに笑顔だったのにな・・・。
改札から出てくるサラリーマンが不思議そうな目で私を見て横を通り過ぎていく。ああそういえば心配で話しかけてくれた人もいたっけ。
「帰ろうかな」
温もりを失った手と、疲れ切った足で私は歩き出す。まるで自分じゃない誰かを動かしているような感覚。
それでも私は歩き続ける。
沈みかけた太陽がいつもよりまぶしくて、赤くて、そして濡れていた・・・。
< 1 / 57 >