そしてまた、桜はさきほこる
そういって藤田先生は、一枚の投票用紙を渡してきた。


投票用紙は匿名になっているため、誰が書いたものかはわからない。


そしてそこには、ありがたいことに『中西圭吾』と自分の名前が大きく書かれていたのだが・・・。


大きすぎた。


小学1年生が書いた字みたいに、記入欄の枠から大きくはみ出してしまっている。しかも、ところどころ強調するようになぞったりもしている。


えっと、これは・・・。


「まあ、残念だが記入欄の枠に収まっていないと、無効票という扱いになってしまうからなあ」


ですよね・・・。


まあこの票が原因で生徒会長になれなかったわけでもないし、特に気にすることもないかな。


俺は、投票用紙を小さく折りたたみ、藤田先生に返した。

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