そしてまた、桜はさきほこる
「るみ~おはよう!るみは今日も朝から元気だね」


「さきが油断しすぎなんだよ!」


「ごめんごめん」


るみとは一年生の時に同じクラスで今年も一緒。るみはいつも何でもないことを楽しそうに明るく話す。だから、そんなるみとしゃべっている時間はとても楽しくて、心地がいい。


るみは、一通り昨日見たテレビ番組や、弟とのけんかのエピソードを話し終えると、少し間を開けてため息交じりに言った。


「あたし恋したいんだよね~」


「ええどうしたの急に!?」


「だってさ、もう二年になったんだよ。青春したくない?」


「それはしたいけどさー」


「あ~急に目の前に白馬に乗った王子様が現れたりしないかな~」


「そんなことあるわけないじゃんー」


「まあそうだよね~」


そう、ありえない。


急に目の前にイケメンの王子様は現れないし、急に恋が始まったりもしない。


きっと恋愛なんてそんな単純じゃない。もっと迷路のように複雑で入り組んでいる。

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