そしてまた、桜はさきほこる
「おじさーん、いつものください!」


「お、中西さんちの子供たちだね!寒い中ご苦労様!」


柚葉が、母さんから預かったお金でいつもの野菜を買う。大根とにんじんとじゃがいもと。


俺は後ろからその様子を眺めていた。


その瞬間、ふと視線を感じた。


神様にそっちを見ろと命じられた気がした。


俺は、振り返る。


長い長い商店街の先、自分と同じくらいの年の女の子が、遠ざかるように歩いている。


「待って!」


瞬間、俺は走っていた。


「お兄ちゃん、どこ行くの!?」
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