そしてまた、桜はさきほこる
あふれだす言葉が止まらない。


今までの葛藤をすべてさらけ出してしまう。


これが正解なのかはわからない。


間違った道を選んでしまっているのかもしれない。


それでも俺は、自分の気持ちに嘘をつかないと決めたのだ。


「もし良かったら先輩が行く日、お見送りに行きたいです!」


「俺でもめちゃくちゃ辛いのに、さきちゃんがもっと辛くならないか凄く心配だよ・・・」


「先輩の姿を1秒でも見ていられるならどんなとこでも行きます!」


「俺にはもったいない人だよさきちゃんは・・・。いい子すぎる・・・」


嘘偽りのないさきちゃんのまっすぐな瞳に、俺は冷静ではいられなかった。


さきちゃんの体を引き寄せ、強く抱きしめる。


あの時、ネクタイを握りしめたときと同じ温もりが全身に伝わる。
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