そしてまた、桜はさきほこる
俺たちは時間になるまで、目一杯デートを楽しんだ。


一緒にご飯を食べたり、ふらっと駅前の雑貨屋に入ってみたり。


今日離れ離れになってしまうのが嘘みたいに、ほんとうに他愛もない話をたくさんした。


だから、出発の時刻になってしまうのは、あっという間だった・・・。


夕日が差し込み、あたりは朱色に染まっていく。


時間だ。


今日、朝からずっとつないでいた手に一層力を込める。


泣きそうになるのをぐっとこらえながら、俺は最後の言葉を口にする。
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