そしてまた、桜はさきほこる
「今までほんとうにありがとう!!さきちゃんならきっとこれから先も大丈夫!」


「今までほんとうにありがとうございました!!!!!先輩ならきっとこれから先も大丈夫です!!!」


繋がれている手をゆっくり離し、今度こそ改札を抜ける。


ホームへと続く階段の前で、一度だけ振り返る。


さきちゃんは、俺が見えるようにしゃがみながら、全力の笑顔でぶんぶんと両手を振っている。


俺もさきちゃんに見えるようにぶんぶんと両手を振り返す。


「先輩大好きです!!!!!!」


階段を上り始めると、そんな声が聞こえてきた。


恋とは何なのか、愛とは何なのか。


そんなこと、18歳の俺にはまだわからない。


きっとこの先まだまだたくさんの出会いがある。


それでも、最後に聞いたその言葉は、大人になっても色あせることなく、俺の心に残り続けるだろう。


電車の車窓から見える沈みかけた太陽は、いつもよりまぶしくて、赤くて、そして濡れていた・・・。
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