わたしの本当の王子様は、誰?
「・・桐生くん・・?」
そう思ったのに違った。
そこには予想外の人が立っていた。
「・・・なんで」
どうしてここに桐生くんがいるの?
桐生くんとは、あれから話してない。ずっと。
本当に初日以来話してない。
この学校で2年になった今でも一回も話してない人なんてもちろんたくさんいる。
でも、桐生くんには何度か話してみようと思ったことがあった。
どうしてわたしのことを嫌うのか知りたかったし。
ただ、近づこうとするとあの目が、冷たい目が、こっちを睨んで。
わたしは嘘みたいに一歩も動けなくなった。
だからあの体育館裏で話した以来、わたしは桐生くんとは一切話してないし、近づいてもいない。