わたしの本当の王子様は、誰?


「お前教室にいなかったから」


それなのにどうして?

わたしが近づこうとしてもそれを許さないくせに、どうして桐生くんはこんなにも簡単にわたしに近づくの?



「理由になってないよ。わたしがさぼってることと桐生くんは関係ないでしょ」

「たしかにな」

「じゃあなんできたの」

「・・・泣いてると思ったから」


なんで。なんでよ。

どうして今日はそんなに優しいの。

ずるいよ。

わたしのことなんて嫌いなくせに。うざいくせに。

< 108 / 202 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop