わたしの本当の王子様は、誰?




「愛鳥」


あれから1週間。

今日も真美はこなかった。

あっという間に学校が終わり、健人と下校。

そして家の前でバイバイしたところで聞きなれた声がした。


後ろを振り返ると、やっぱり大好きな姿が。



「真美!!!」


ああ、真美がいる。



「本当は学校で会いたかったんだけどさ。ちょっとでも早く会いたくてきちゃった」

「じゃあ、明日から・・・」

「うん。いくよ。学校」

「嬉しい!!」


よかった。本当によかった。

真美がいない間はずっと心に穴があいた気がしていたから。


でも顔にはまだ傷が残っているように思える。


「真美、傷・・」

「ああ、これね。だいぶひいたんだよこれでも」


それはわかる。ひどいときをみたから。

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