わたしの本当の王子様は、誰?
「ねえ、本当に大丈夫?」
「え?勉強?いや、まあ一応家にいるときやってはいたからなんとか」
「違うよ」
違う。そんなことじゃない。
わたしが気にしてるのは、心配してるのは、そんなことじゃない。
真美の体のほう。心のほう。
傷が消えたとしても、治ったとしても、もしかしたらまたつけられるかもしれない。
また暴力をふるわれるかもしれない。
びくびくしながら、毎日を生きないといけない。
そんなのわたしなら、耐えられない。
「せめてさ、お母さんに相談するとか」
「無理だよ。お母さん信じないだろうし」
「でも!転んでもつかないような痕だってあるじゃん。明らかにおかしい傷、たくさんあるじゃん。それみせたら・・・」
「やめてよ!愛鳥なら、わかってくれると思ってたのに。そんなこと、できるわけないよ」
わかってるけど、わかりたくないんだよ。
わたしは、真美が大切だから。
真美のお母さんよりも、真美のほうが大切だから。