わたしの本当の王子様は、誰?
健人side
*
「おい、まてよ」
「もう、わかってるよ。愛鳥がわたしのこと心配してくれてることくらい。たくさん思ってくれてることくらい」
「ならなんであんな言い方するんだよ」
「・・・愛鳥やあんたがうらやましいよ。優しいお父さんとお母さんがいて、仲良しで、羨ましい」
「真美・・・」
「ただの嫉妬だね。愛鳥にあんな言い方しちゃうなんて。わたし相当ひどいよね」
真美が大泣きしたといっていたあの日、俺はクラスが違ったからその姿はみていない。
ただ、放課後「天国にいっちゃったんだって。お父さん」そういって大粒の涙を流した真美を俺はみた。
普段は泣かない真美が泣いたのはそのときだけ。
だからこそわかる。
それくらいお父さんのことが大好きだったってこと。
嫉妬。そんな風に真美が俺たちをみてることなんて知らなかった。
真美の新しいお父さんが、優しいお父さんだったらどんなによかっただろう。