わたしの本当の王子様は、誰?






絵本が久しぶりに読みたくなった。

どこかにあるかな。


たしか、父さんの仕事部屋だったかな。

本棚ってそこにしかないから、そこにたしか絵本もしまってあったはず。


普段はあんまり入ることのない父さんの部屋。

でもまだ帰ってきてないし、どうしてもいま読みたい。



だからごめんなさい。

心の中で謝ってわたしはドアをあけた。




「あ、あったあった」

さまざまな難しそうな分野の本がある中、そこにはわたしが好きだった絵本があった。

でも、たくさんあるからぎゅうぎゅう詰めでうまく抜けない。

わたしは、力づくでその絵本を引き抜いた。


そのときだった。

ひらひらと何か落ちてきたのは。

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