わたしの本当の王子様は、誰?


わたしが質問しても口を閉ざす父さん。

なんていっていいのかわからない、そんな感じ。



「いいよ。母さんにきくから」

「・・・わかった。話すから。ちゃんと。だからリビングにいこう」


最初からそういえばいいのに。

そう思ってリビングにいくとそこにはごはんを作っている母さんが。




「もうすぐできるからね。って、2人とも、そんな顔してどうしたの?


「愛鳥に話すときが、きた」

「っ!」


その言葉で母さんはすべてを理解したらしい。

手をとめて、つけていたエプロンを外すと椅子にすわった。


こんな雰囲気になったことなんて今まであんまりなかった。

仲良し家族だから。

このリビングはいつだって賑やかで笑いが溢れていたのに。


今はそんな空気がいっさいない。

しんみりとした、重たい空気が流れていた。


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