わたしの本当の王子様は、誰?


「あ!あの!」


校舎に入るまでにどれだけ時間がかかったか。

やっとその校舎に入れると思ったときに声がして後ろを振りかえった。

相当びっくりした。

でもそれを顔にはださずににこりと笑う。



まさか、まさかな。

向こうから話しかけてきてくれるなんて。嬉しいよ。



でもね、嫌い。

お前となんてしゃべりたくもないし、うざい。



正直はじめ愛鳥に話しかけられたときは、俺のことを知っててわざと話しかけてきたのかと思った。

俺はもちろん、愛鳥の家族のことなんてとっくのとうに調べあげていた。

幸せそうな家族。仲良しな家族。

そして隣には幼なじみである健人という男。

ああ、あいつが、あいつがあの金井って夫婦の息子か。

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